懐かしの名場面
～担任通信ダイジェスト～
血液型人間学
作者のコメント
生徒諸君や職員間で人気のご存知「血液型シリーズ」。本編はその「元祖」とでも呼ぶべき作品である。これまで本ＨＰに載らなかったのは、私の一番初期の作品（最初に高校で担任したＳ高１年４組「しぶ柿通信」に掲載）であるため、あまりにも独断と偏見が表に出ていて、ちょっとネットに公開するには気が引けたためである。だが、それだけに内容は超過激、面白さという点ではシリーズ中最右翼に位置するものであろう。さあ、その過激さを皆さんはどのように受け止めるだろうか。
序章
私が血液型と性格の関係に興味を持ち始めたのは、それほど古いことではなく、２・３年前からである。当時私は既に生物教師５年目であったし、血液型遺伝のことなどはもちろんよくわかっていた。ところが、「何型はこういう性格」などと人が話しているのを聞いても、星占いや手相占いのたぐいと同一視して、全く信じる気にもなれなかった。ところが、その頃新任教師としてＨという男が理科に入ってきた。今でも親しくつき合っている男だが、この彼が「自分は典型的なＡ型」と称し、何だかんだと講釈を始めた。　彼によると、「私は典型的なＢ型」であり、ちょっとつき合えばすぐにそれがわかると言う。そんなもんかいなあと思いつつ、それからは親しい人には必ず血液型を訊ねてみて、その性格・行動をじっくり観察するようになった。そうしてみると、確かにＡ型の一群とＢ型の一群にははっきりした違いが認められるような気がしてくる。自分との相性の良し悪しにも一定の傾向がある。かくして、私は徐々にこのテーマにズブズブと足を踏み入れていくことになってしまったのだ。　私は宗教・信仰のたぐいには一切興味の湧かないたちであり、自分の目と頭でちゃんと確認したことでないと納得いかない方である。それに生物教師という職業柄、こういった一種の生命現象にははっきりした理論的裏付けが欲しい。であるから、この１年ぐらいは単に血液型と性格の相関関係を確認・分析するだけでは飽きたらず、その生物学理論を組み立ててみることに心を砕いてきた。その結果、ぼんやりではあるが、私なりの考えがまとまってきたように思う。もっとも、私は学者ではないので、大規模な調査や実験はできるはずもなく、いかにもっともらしいことを考えついてもあくまでそれは「血液型教」に過ぎないのであるが・・・　人間の源流はＯ型であって、Ａ型、Ｂ型というのは、突然変異によって生じた「変わり者」であることはほぼわかっている。問題はその突然変異の生じた時期である。全世界のどの民族にもほぼ全部の型が揃っているところから見て、この時期はかなり古く、脳細胞の倍加によって、類人猿の一群から原始人類の岐れたその前後ではないかと私は見る。そして血液型遺伝子は、赤血球の表面抗原を支配するのみならず、脳細胞同士の相互作用に大きく関わっているのではないかと考える。特に、外界からの刺激（情報）を、感情や行動の中枢につなぐ際に、処理の仕方が大きく違っているのではないか・・・というのが私の現在の仮説である。　まあ、こんな難しい話はどうでもよいのであって、本シリーズでは各血液型の個性、特に弱点を集中的にたたきまくるのを主眼に置いている。（要するに私の日頃のうさ晴らしである）　また記述がどうしても私というＢ型人間の観点からのものになることはお許し願いたい。Ａ型にはＡ型の言い分があり、Ｏ型にはＯ型の言い分があることはよくわかっているが・・・（Ｂ型の特徴として、言うこと・なすことはしばしば自己本位ではあっても、事実を冷静に見つめる目は一番公平だと思っている）　なお、参考資料としてもちろんわがクラスのデータもインプットされているが、あ、これは俺のことだと目くじら立てて怒らないようにしてもらいたい。それはあくまで私の分析が当たっているという証拠である。
Ａ型の巻その１
頭脳が緻密、忍耐力がある、気配り上手で敵を作らない、慎重で冷静、アイドル性がある・・・・これらが一般的にＡ型人間に対して言われる特性である。確かに私自身、これらの評価を否定するつもりはない。だが、ちょっと斜めに見方を変えればこのように見えてくる。事なかれ主義、アイデアが貧弱、いい役回りばかり取りたがる、優柔不断、八方美人のブリっこ・・・・要するに、人間の特質なんてものは、周囲の評価の仕方によってこんなにも違うということである。　Ａ型とＢ型がほぼ同時期にＯ型から分化してきたと推測されることは前に述べた。しかるに、日本人の４０％がＡ型、対してＢ型は２０％、何故このように「差」がついてきたのだろうか。すなわち、Ａ型が日本の風土にかくもマッチしてきたのはどうしてだろうか？　日本という国、とにかく謙譲が美徳とされる。何かトラブルが生じたとき、「悪いのは誰それだ」と個人名を挙げたり、「悪いのは政治だ、法律だ」などと言い出すと、共鳴する人より白い眼を向ける人が多いのが常だ。お上は絶対のもの、長いものには巻かれろ、物言えば唇寒し秋の風、等々権威には逆らわず風見鶏で行くのが最高の処世術とされる。神代の昔からこれを地でいってきたのが実はＡ型であった。古代帝政社会、もっぱら新しい土地を開墾していったのはＢ型、狩猟生活のクセから抜けきれず、農作業そっちのけで田の境界争いのケンカばかりしていたのがＯ型、その陰で黙々と収穫に励んでいたのがＡ型であった。戦国時代、Ｂ型やＯ型がムキになってチャンチャンバラバラやっている中で、洞ヶ峠よろしく、優勢な側へすかさず乗り替えたのがこれまたＡ型。江戸時代、年貢の重みに耐えかねて一揆を起こし、首謀者としてさらし首になったのがＢ型。代官に賄賂を送って年貢をまけてもらったのがＡ型。第二次大戦中、真面目に軍事訓練を勤め上げ、後方部隊へ回してもらったのがＡ型。なまじ上官に逆らったばかりに最前線へ送られ、花と散ったのがＢ型。かくして日本人は「Ａ型民族」と呼ばれるほど、その理想の人物像をＡ型の特質に求めるように進化してきた、という訳である。　現代の教師社会においてもそれは同じ。例えば職員会議、立場は異なっても、教条主義的な発言をするのはＯ型。「本校では20年来・・・」とか、「それは差別・選別につながる」とかいう発言はたいていＯ型から出る。Ａ型に提案などさせると、これが大変。時候の挨拶から始まって、何だかんだとさんざんとぐろを巻いて、やっとの思いで本論に入る。入ったかと思えばまた脇道へそれる。細かい所へ気の回るのは結構だが、Ｂ型やＯ型はイライラする。それに比べると、Ｂ型の発言は単刀直入・簡単明瞭。しばしばズバっと核心を突きすぎるため、これが他のＢ型やＯ型を刺激する。個人攻撃まで飛び交って空中戦になる。ＡＢ型がタイミングのずれた質問をしてさらに進行を妨害する。そしてさんざんもめた挙げ句、最後にカッコよく登場するのがこれまたＡ型。「誰々先生のご意見もごもっともですが・・・」に始まって、出てくるのがこれまたお決まりの折衷案・妥協案、または継続審議案・・・・・。原則的にはこちらが正しいとは思っていても、「まあ、あの人の顔を立てて」で一件落着となる。しかし、後になってよく考えてみると、さんざんもめたその肝心の争点は何ら解決されていない、てなことがよくある。　要するに、そもそも職員会議の位置づけがＡとＢでは違っているのだ。自分の主張をあくまでゴリ押しする場（Ｂ）に対し、結論がどっちへ向こうと、自分の穏健さ、温厚さを売り込む場（Ａ）。多数決となった場合に、後者が有利なのは言うまでもない。
Ａ型の巻その２
Ａ型の性格を基本的に特徴づけるものは、対人関係への過敏性である。Ａ型は誰からも好かれたい、常に一座の中心でいたいという願望が非常に強い。だから、自分の欲望や主張は抑えつけてでも、他人の信望は失わないようにふるまう。この点がＢ型とは好対照である。生まれてこの方そういう路線で来ているから、人をおだてたり、座をとりまとめるのが抜群にうまい人が多い。　ただ、この辺が世の中の甘くない面だが、この過敏性がマイナスに作用することだってままある。すなわち、Ａ型は環境条件次第では非常にひねくれやすいのである。「ひねくれＡ」の代表例を私はいくつも知っているが、それらの人を分析してみると、みな生育環境に問題がある。まともな生活環境を持っている人にはその例を私は知らない。恵まれない環境から来るフラストレーションが、模範人間であるはずのＡ型を性格破産者に変えてしまうのだ。「ひねくれＡ」の典型的症状としては、まず極端な人間不信、そして陰湿な他人へのいやがらせ、またＢ型的とさえ思える自己中心主義。こういう状態に一旦陥ってしまうと、余程の救世主が現れない限り、回復は困難である。　心しておくべきことは、Ａ型であれば誰しもこういう傾向をある程度もっているということである。「八方美人」という言葉はＡ型のためにあるような言葉だが、これだけ価値観が多様化している現代社会で、そうそう100％の人間にいい顔ができるはずがないのである。勢い、８０～９０％の人間には笑顔を見せ、残りの１０～２０％の人間には敵意をむき出しにしてくることになる。私などはどちらかというと、その１０～２０％の方をよく拝まされるので、ついついＡ型人間に対しては半信半疑のつき合いになってしまう。常に８０～９０％の側にばかりいる人にとっては聖人君子に見えるのかも知れないが・・・　私の持論であるが、同じ血液型でも、男と女ではその現れ方にかなり差があると考えている。これは生理的な違いもさることながら、やはり日本という国においては、男と女の置かれている社会環境に大きな違いがあることに起因していると思う。この点をもう少し掘り下げて、男女別に分析してみよう。　Ａ型の男には、第一印象として「優しさ」がある。現代ギャルの最も好む条件である。だからＡ型の男にはプレイボーイが多い。だが、ちやほやされて育った男の常として、「ひ弱さ」が目立つのはやむを得ない。あまり言うとひがみになるが、あの三浦●義（筆者注；保険金殺人の容疑者）なんかはＡ型じゃないかと推測するが・・・・　Ａ型の女性には、「しっかりしている」という印象がある。いわゆる「良妻賢母」のタイプである。Ａ型の女性にそれを言うと、「いえいえ、とてもとても。」と謙遜するが、そこがまた奥ゆかしいところ。「まあ、ありがとう。」とすぐその気になるのがＯ型である。お世辞に決まっているのに・・・Ａ女は細かいところに気がついて、男心のくすぐり方をよく知っているから、男に捨てられるなんてことは非常に少ない。しかしＡ女よ、慢心するなかれ。何かにつまづいて「ひねくれＡ」状態に陥ると、貴女は一挙に「公衆●所」タイプに転落するのだ。　要するにＡ型は男女ともに異性にはウケがよい。（人気アイドルスターの６０～７０％はＡ型というのは衆知の事実）だが、交友関係、恋愛関係での相性と言うことになるとまた話は別。その点はまた次号で述べるとしよう。
Ａ型の巻その３
Ａ型の巻最後は、Ａ型の交遊および恋愛について述べてみたい。　確率的にみても、最もできる可能性が高いのがＡ型同士の交遊である。このＡ型どうしの友人関係、端から見ていて、実にうらやましいくらい仲が良い。お互いに気心は手に取るように分かり合えるし、遊び友達としては最高の組み合わせと言えよう。だが、私に言わせれば、Ａ型どうしのついあいなんてものは互いに傷の舐めあいばかりしていて、発展性が全くない。「お互い日頃周りに気イばっかりつこて、ほんまに苦労しまんなあ。」などとやっているのを聞いていると虫酸が走る。切磋琢磨し合う友人関係を求めるのは、この組み合わせは即解消したまえ。　Ａ型とＯ型は弥次喜多コンビである。上手く歯車がかみ合えば実にすばらしい盟友同士になれる。歯車をかみ合わすためには、Ａ型の軟弱なところをＯ型の豪快さでカバーし、Ｏ型のいいかげんなところをＡ型の緻密さでカバーしてゆけばよい。ただ、この関係が反対になって、Ｏ型がＡ型に対して細かい注文をつけるようになると、もう破綻以外の何者でもない。どこぞやの学年主任と副主任がそうだとはもちろん言わないが・・・　Ａ型とＢ型の関係をたとえて言うなら、キツネとタヌキの化かし合いである。実は私Ｂ型にもＡ型の友人はたくさんいる。それらの実例から考え合わせても、この関係を発展させる第一のポイントは、「お互いの特性＝相違点」をとにかく認め合うことである。これをせずにつき合い出すと、幻滅→破局へとまっしぐらである。どちらがペースを取ってもダメで、お互いできる限り現実世界を離れてロマンの世界でつき合うようにすれば、実に良い心の友になれること請け合い。恋愛でも、Ａ型とＢ型の恋は、結ばれるより悲恋に終わった方がドラマチックだ。いわばロメオとジュリエットである。私には親しい人妻の友人（誤解のないよう）が何人かいるが、その人たちはみなＡ型である。単なる偶然とは思えない。　Ａ型とＡＢ型の関係においては、Ａ型は常にＡＢ型のお守り役である。他の血液型がみな手こずるＡＢ型の気まぐれを、Ａ型は実に巧みに料理してしまう。この関係が長続きするかどうかは、Ａ型の方がこのお守りに快感を感じるかどうかによって決まる。　次に恋愛・結婚の相性であるが、生物学的に考えるのなら、同じ血液型どうしが結婚する方が、胎児に拒絶反応もなく良いに決まっている。ところが、どの血液型の本にもたいてい出ている相性表は、ＡとＢ、ＡＢとＯを対角線上に置いて、男女の組み合わせによって逆向きに結んでゆくものである。何でもこれは統計学的に作られたらしいが・・・それによると、Ａ型の男性はＡＢ型の女性と、Ａ型の女性はＯ型の男性とがベストカップルであるらしい。　私の周りを見渡した範囲では、この表はなかなかよく当たっている。Ａ男には（ＡＢ型の女性が少ないので）婚期の遅れる人が多いのも頷ける。Ａ女＝Ｏ男のカップルを私は５、６組知っているが、みんな非常にうまく行っている。（少なくとも表面的には・・・）　前にも書いたように、Ａ型は誰にでもよく合わせていくことができるので、いずれの組み合わせでも家庭崩壊の可能性は少ないと思う。ただ、相手側の必要性から言えば、ＡＢ女の気まぐれを我慢できるのはＡ男しかいないし、Ｏ男の横暴でずぼらなところをしっかりカバーしてゆけるのはＡ女しかいない、とまあこんなことになろうか。
Ｂ型の巻その１
そもそも、Ｂ型を「Ｂ」型と誰が名付けたのか？別にＢ型が「Ａ」で、Ａ型が「Ｂ」でもよかったのではないか。実は、大学２年で初めて献血をし血液型がＢ型ですと告げられたとき、何かＡ型よりも劣ると宣告されたようで嫌な気持ちだった。そうだ、きっと最初の命名者はＡ型に違いない！　自分で言うのもおこがましいが、Ｂ型は最も個性の強く出る血液型である。私など、人からＡ型でしょう、とか、Ｏ型だろう、とか言われたためしがない。ほんの少しつき合いがあっただけで、すぐにＢ型と見破られてしまう。　Ｂ型の性格の根幹をなすものは、徹底した自己中心主義である。世界は自分を中心に回っている。あらゆる価値判断の基準は自分自身にある。自分のすることは常に最善という自信が日々の生活を支えている。たとえ、周りの者がお前のやったことは犯罪だと言って死刑判決を下そうとも、死刑執行の瞬間まで自分のやったことは正当だと思っている。もし君がＢ型でこういった自信を持ち得ないとしたら、それはまだまだ自覚が足りない。もっと自分自身に流れている血（血液型の特性は赤血球の表面にある）を活かさねばいけない。　Ｂ型は他人の評判よりも、自分の生活や仕事を自分のプラン通りにやっていくことに重点を置く。だから、しばしば利己主義、自分勝手などと批判を受けやすい。自分の道筋に少しでも邪魔が入ると気に入らない。道具・材料・周辺環境をすべて取り揃えてからで仕事にかかれない。けれども、パターンにはまった時の集中力は抜群である。その反面、自分に興味のない事に対しては、極端にサボリやウッカリが続出する。この落差が大きいために、Ｂ型のサボリやウッカリにはしばしば非難が集中する。この点、Ｏ型などはすべてにわたってチャランポランだから、周りもその気で見るので、あまり誰からも責められない。　長嶋茂雄、野村克也、山本浩二、谷沢健一、若松勉、福本豊、清原和博、イチロー、古田敦也・・・と並べると何かと思うかも知れないが、これらの野球選手（全員名球会会員）はすべてＢ型である。このように、一流打者にはＢ型が非常に多いが、一流投手にはＢ型はほとんどいない。これもＢ型の特質をよく表す例である。バッティングは誰の助けも借りずに一人でやるのに対して、ピッチングはキャッチャーとのコンビネーションや、野手とのチームワークが必要なのがその理由かも知れない。　ロッキード事件以来、Ｂ型は悪人の代名詞のようになってしまった感がある。確かに、田中角栄は典型的なＢ型人間だ。最近、拳銃強奪事件で捕まった広田某も、おそらくＢ型のように思える。有名人の中にも、竹村健一や大橋巨泉など、どうにも胡散臭い人物が多い。別に角栄や広田の弁護をするつもりはないが、Ｂ型に道徳の枠にはまった行動を期待するのは無理というものである。　「私の前には道はない。私の後ろに道はできる。」Ｂ型がしばられることによって満足するのは、自分自身の作った規範だけである。　ところが、実際にはそう我儘ばかり言っていては社会生活はできない。だからＢ型はというのは、常に社会の中で抑圧された状態にあると言ってよい。相当の我慢を強いられながらも、それでもあっちこっちで衝突を起こしては叩かれ、しばしば仲間はずれにされ、変人と言われ、しかし一匹狼いや一匹山猫よろしくたくましく生きてゆくのだ。　Ｂ型の諸君に告ぐ。君は社会の組織・集団の中で、人に可愛がられようなどと夢にも思ってはならない。とにかく、何でも一人でやってゆける力と自信を持つことだ。お前らが俺の言い分に納得しないんなら、俺は俺で勝手にやるわい、と居直れる強さこそ、Ｂ型の最大の武器である。力も自信もないＢ型など、それこそ中途半端な「屁」みたいな存在にすぎない。特に若いうちは、妥協など考えず、失敗を恐れず、何でも信念を持ってバリバリやってゆくこと。それがＡ型社会に反抗する力をつけてくれるのだ。
Ｂ型の巻その２
今回はＢ型の交遊関係について。Ａ型との関係についてはすでに触れたので割愛する。ただ捕捉として、「ひねくれＡ」とＢ型との間には絶対に友好関係は成立しないので「無視する」べし。　Ｂ型とＯ型にはしばしば強固な連帯が成立する。私の親友にもＯ型が多いが、彼らの特徴は非常に大らかであること。Ｂ型にありがちの暴走や引き回しを、かなりよく寛容してくれる。時には怒鳴り合いの大喧嘩もするが、後を引くような冷戦関係にはあまりならない。Ｂ型とＯ型がうまくやっていくコツとしては、お互いにリードのし合いをすること。Ｂ型がリードしているときにはＯ型が調子を合わせ、Ｏ型が仕切りたいときには、Ｂ型が一歩譲って相手の土俵に乗ってやることが大事だ。　Ｂ型同士の人間関係。こいつはかなり問題である。私の友人にもＢ型が何人かいるが、とことん１対１でつき合ってやろうという気には到底ならない。向こうには向こうの世界があり、ペースがあるから、共通の利害でだけ行動し、あとは知らん顔というのがお互いのためだ。もしＢ型同士の間に完璧な考えの一致が成立して共同戦線を張るなら、これほど強力なコンビはないと思うが、それは架空の絵空事、ヘリウムとネオンの共有結合みたいなもんだ。（化学に強い人しかわからない、ごめん！）　そして、Ｂ型にとって最大の天敵、それはＡＢ型である。表向きはＡ型の微笑を浮かべながら、こちらがついその気で調子に乗ると、Ｂ型流にコロッと態度を変えるあのイヤらしさ。このＡＢ型の時間差攻撃は、Ｂ型にはたまらない脅威である。何を隠そう、私の親父がＡＢ型であるが、この親父とは生まれてから今まで一度もウマの合った試しがない。和賀英良（筆者注；小説「砂の器」の主人公、）親子を見習いたいくらいのものだ。Ｂ型がこの時間差攻撃に対処するためには、常にヒット＆アウェー、こちらが必ず先手を取ってガツンと食らわせ、後はスタコラ逃げる。たまに話が合うときがあっても、決して運命共同体にはならないこと。裏切られて泣きを見るのはいつもＢ型の方だ。　Ｂ型の交遊関係は浅いのが普通だ。初対面の人とはなかなかうち解けにくく、せっかくできた友人ともすぐにうまくいかなくなって冷えた関係になりやすい。Ｂ型とは妥協による友情よりも、筋を通した孤独を好む人種であると言ってもよい。その反面、一度気に入った相手にはとことん面倒を見てやるお人好しな所がある。これが得な性格かどうかは自分自身未だに分からない。　結婚相手としては、Ｂ型の男にはＯ型の女性が良いらしい。（自分の妻がＯ型なのに「らしい」とはいかに・・・）性格で選ぶなら、私など絶対にＡ型だ。これはどうもＡ型の女性にとっては迷惑らしい。Ｏ型の女にとっても同様で、「結婚するなら優しいＡ型」とことある毎に言うが、Ａ型の男はグータラのＯ型はごめんだとスタコラ逃げる。その挙げ句の果てにＢ男＝Ｏ女の嫌われ者同士のカップルが出現すると言う寸法だ。見ようによっては、頼りないＯ女を、何やかんやと文句を垂れながらもＢ男が強引にリードする。またある時には、ハチャメチャなＢ男を、寛容性のあるＯ女が包容するというわけか。　Ｂ型の女性は一見して冷たい印象を与える人が多い。思った相手にはとことん尽くすが、その分男からの見返りを求めるから、一番捨てられやすいタイプである、気をつけよう。Ｂ女の理想の相手はＡＢ男だそうだが、Ｂ男にとっては最大の天敵が、Ｂ女にとっては何故最高の伴侶になるのかはよう分からん。しかし、私の周りにも、自分の親夫婦を初めとして、この組み合わせが４組もあるのは、やはり何か根拠があるのだろう。きっとこれも嫌われ者同士のカップルに違いないと精々悪態をついておくことにしよう。
Ｏ型の巻その１
もうぼちぼち授業で遺伝を習っているので理解できると思うが、Ｏ型の遺伝子は日本人の中では６割を占める最も多い遺伝子である。にもかかわらずＡ型人間が４割で、Ｏ型はそれに次ぐ３割に甘んじている理由は何か？それはＯ型遺伝子がＡやＢに対して劣性だからである。（これは何もＯ型がＡ型やＢ型より劣等という意味ではない）だからＯ型というのは、日本人では、と言うより全世界的に見ても最もｎｏｒｍａｌな血液型である。それもそのはず、人類は元々すべてＯ型だったのだから・・・。Ａ型やＢ型の方が後から現れた変わり者なのである。そういう訳だから、Ｏ型が原始人的特徴をより色濃く残していたとしても少しも不思議ではないということになる。　Ｏ型人間は最も素直でｎａｔｕｒａｌである。別の言葉で言えば、単純・単細胞、チンドン屋のテーマソングじゃないが「美しき天然」である。本能的欲望が常にストレートに噴出するのがＯ型の特徴である。腹が減れば真っ先に「腹へったーーー。」と言い出すのがＯ型であり、女がほしいときには「女くれーーー。」とわめくのがＯ型である。ビルの谷間に身を置こうとも、Ｏ型からは決して農民臭が消えることなく、（●●先生を見よ）いかに最新鋭のコンピューターを操ろうとも、その魂は遙かアフリカの原野をさまよっているのである。　Ｏ型のもう一つの特徴として、のんびりしていてずぼらなことがあげられる。Ｏ型は型にはまった行動や、頭脳を使う必要のない馬鹿騒ぎは一向に苦にしない。ところが、これまでの慣習を破って何か新しい事に取り組もうとか、自主的に何かをやろうという段になると、とたんにトーンダウンしてしまう。どこやらの裸祭りで一番悪乗りして暴れまくっているような奴は大概Ｏ型に違いなく、「日本の伝統」は良きも悪しきもＯ型によって守られてきたに相違ない。教職員集団の中でもこれは端的に表れている。さあ、何か新しいことを始めようというときに、耳障りのいい言葉を並べるが一向に実行に手を染めようとしないのがＯ型。そのくせワンパターンの慣習だけは何をおいても優先させようとする。職員会議でも、「本校では２０年来・・・」とか、「私の前任校では・・・」とか、自分の経験ばかりが全面に出てくる。これがＯ型教師の最大特徴である「保守主義」。全員がそうとは言いませんが・・・　Ｏ型は頑固である。何を抜かす、Ｂ型だって自己主張ｏｎｌｙのゴリゴリじゃねえかと反論する諸氏のために申し上げると、Ｂ型のそれとＯ型のそれとは全く質が違うのである。Ｂ型の主張には、独断にせよ、それなりと理由と根拠がバックにある。だから、その理由と根拠を突き崩してしまえば、もうグーの音も出なくなる。ところが、Ｏ型の頑固は、それこそａｌｍｏｓｔ根拠ｌｅｓｓの思いこみである。「ワシがこない言うたらこうじゃ！」と居直られてしまえば、もはや付けいるスキがない。だだっ子のガキより始末が悪い。であるからして、「石頭」の称号は、のし付きの二重包装でＯ型に謹呈する次第である。　Ｏ型は人間の好き嫌いが激しいという。これも前述の「思いこみ」が原因である。ほんのちょっとしたことで、「あいつは気に食わん。」とか、「あの人は陰険よ。」とか思いこみ、それが態度に出てしまう。そのくせ、何かの拍子にこれが一気にひっくり返ってしまったりする。それとて別にはっきりした理由があるわけではなく、そのときの気分が良かっただけの話。だからＯ型とつき合うには、まず一球牽制球を投げてみて、ご機嫌伺いをしてみるとよい。手の内が読めれば後はワンパターンで押せばよい。これほど扱いやすい人種もまたないのである。
Ｏ型の巻その２
Ｏ型の長所は、細事にこだわらないおおらかな所にある。つき合うのに一々気を遣う必要がない。ボロカスにやっつけても尾を引くことがない。これがＡ型なんかだと、顔ではニコニコ笑っていても、心の奥には怨念を残しているから、そのうち陰険なしっぺ返しを覚悟しなければならない。おおらかな所のない、イジイジしたＯ型人間がもしいるとしたら、それほ余程生育環境・家庭環境に恵まれない哀れな人物である。残念ながらそういう人物は、Ｏ型の一番のとりえを持たない中途半端な存在ということになる。　Ｏ型の男性は、頑固な雷親父型と、おっとり天才バカボン型に区別される。どちらにしてもペースをつかめば単純で扱いやすいから、世話女房型のＡ型女性にはぴったりである。ただ、当然細やかな神経とか、展望を持った指導力は望むべくもないから、その辺が物足りない向きにはお勧めできない。　Ｏ型女性は、相手に一方的隷属を要求し、しばしば女王的ふるまいをしてみたいタイプである。漫画のグータラママとか、ダメ親父のオニババなどというのは、典型的なＯ型女性であると私は信じている。世の男性諸君よ、Ｏ型女性が、「私、男に尽くすタイプよ。」などとほざいても決して信用してはいけない。そのうちテレビの前でアグラかいて煎餅かじるようになるのは目に見えている。　わが１年４組の主流派・Ｏ型女軍団は、クラスの中で相手を見つけんと欲するならば、Ｂ型の●●君と▲▲君に狙いを絞るべし。それがご不満な向き、またはこの二人に見事に振られた向きは、いつでも大先生の愛人バンクに登録させてあげます。　冗談はさておき、いずれにせよ原始人類Ｏ型は、時世の波に乗りきることができず、滅びてゆく運命にある。世はまさにＡ型とＢ型の角逐時代に入った。Ａ型の陰険が勝つか、Ｂ型の独善が勝つか、決戦の時はそれほど遠い将来のことではないと思うのである。Ｏ型には精々その審判役でもやってもらうことにしよう。
AB型の巻
おーーーー、全く語るのさえ忌まわしい、B型にとっては生来の天敵ＡＢ型じゃ。外見はおとなしいＡ型を装いながら、ここぞというときに繰り出すあのＢ型の嫌らしさ、まるでかい人２１面相じゃ。　大体Ａ型やＢ型ですら、Ｏ型から見れば変わり者なのである。その変わり者が二つダブっているのだから、これを変態の極地と言わずして何であろうか。ＡＢ型こそ文明のゆがみの申し子と言うべき、二重人格の悪魔なのじゃ。　プロ野球の一流投手の血液型を調べてみると、けっこうＡＢ型の多いのが目につく。（確率的には８％、十人に一人もいないはずなのに）この理由をつらつら考えてみるに、ＡＢ型投手の心理は、打者にとって非常に読みにくい所に原因があるのではないだろうか。この、心の中で何を考え、陰で何をしているか分からないというのがＡＢ型の最大の特徴である。　ＡＢ型はへそ曲がりである。普通の者ならウンウンとうなずいてすんでしまうところに、わざわざイチャモンをつけてかき回そうとする。漫画に出てくる「意地悪婆さん」」とか、「こにくら爺さん」とかいうのは、代表的なＡＢ型人格ではないかと思う。そうして散々人の感情を逆なでしたかと思うと、急にコロッと態度を変えて機嫌取りを始める。そこでお人好しのＢ型などはついホロッと気を許してしまう。そこをつけ目にして、また時間差の変化攻撃が飛んでくる。こんな奴など初めから無視してしまえばいいのだが、私の家庭や職場には絶えずＡＢ型がゴロゴロしていて、避けて通ろうにも通れない。これを悲惨と言わずして何と言おうか・・・　しかし、長年ＡＢ型と格闘してきた甲斐あって、最近ようやくその弱点がわかりかけてきた。確かにＡＢ型に対しては狙い球がしぼりにくく、タイミングは合いにくい。しかし、ＡＢ型の球は球威がない！！ＡＢ型はＡ、Ｂ二種の球種を使い分けているから、どちらか一方に絞ると中途半端でパンチ力がない。そこをすかさずハードパンチでカウンターをくらわす。そうすればＡＢ野郎は、たちまち恐れおののいて自滅の道をひた走る。また、Ａ型流に冷たく突き放してみるのも一法だ。Ａ型に冷たくされると、相手にしてもらいたいＡＢ型は、あわててゴマすりに徹するようになる。　私の予言通り、原始人類Ｏ型が生来滅亡したとすると、世界の血液型遺伝子はＡとＢばかりになる。そして、その中で乱雑に交配が行われるとするならば、驚くなかれ、次の等式が成立するのだ。　（Ａ＋Ｂ）×（Ａ＋Ｂ）＝ＡＡ＋２ＡＢ＋ＢＢ　この２ＡＢという項にご注目願いたい。すなわちＡ－Ｂ対立の世の中では、ＡＢ型が半数を占め、最大派閥として君臨するようになるのだ。ああ、まさに変態・倒錯、サド・マゾの世界。こんなことにならぬためには、Ａ型－Ｂ型結婚禁止法でも作るしかない！それとも、ＡＢ型人口抑制のためには、伝統のＯ型遺伝子を特別天然記念物か、世界遺産にでもして残すしかないのか・・・　ＡＢ型の男は誰にとっても全く扱いにくい代物である。くっつけるとすれば気の強いＢ型女性しかない。ＡＢ型の時間差バレーを、Ｂ女のパワーで抑え込んでしまうのだ。　ＡＢ型の女は気まぐれであるが、そこが男にとってはある意味の可愛さに写らぬ事もない。しかし、このおつき合いにはやはり忍耐力が必要で、これはＡ型男性にお任せしよう。　いずれにせよ、ＡＢ型には常にお守り役が必要なのである。合掌。
結びにかえて
随分長期間連載を続けてきた。ちょっと悪乗りしすぎた気がしないのでもないが、私は別にベスト・セラーを目指しているわけではないので、褒め言葉のでっち上げは避けて、日頃鬱憤としてたまっていることを、ほんの少し誇張して書いたつもりである。　これを読んでもなお、血液型と性格が関係あるなんて信じられない、とか、血液型で人間を判断するなんて・・・とか考えている人も多いだろうと思う。疑うことは大いに結構、むしろ簡単に信じ込んでしまうことの方が問題である。ただ、「疑う」ということと、「嘘だと信じ込む」ということは違う。私の書いたことの、何が真で何が偽かは、皆さんが今後の人生の中で確認していけばよい。　しかし私としては、この連載に対する生徒・教師の反応を見ていて、ますます自分の確信を深めるに至った。目を通すや否や、すぐにこの通信を丸めたり破って捨てたのは例外なくひねくれＡ型の人物であった。いかに罵詈雑言を並べても、アッケラカンとして、相も変わらずチャランポランを繰り返すのはＯ型であった。　血液型の呪縛を乗り越えて、円満な家庭生活・社会生活を送るために次のことを提案する。それは、自分と正反対の血液型の長所を見習ってみることである。Ａ型ならば、何でもかんでも我慢せず、たまにはＢ型のように押しの強さで勝負してみよう。Ｂ型ならば、いつも意地を張らず、徹底的に周りの機嫌取りをしてみよう。Ｏ型ならば、もう少しＡＢ型のように、細かいことに一々こだわってみよう。ＡＢ型はもっとどっしりと構え、「ガハハハハハ」とＯ型のようにアホ丸出しで笑い飛ばしてみよう。かく言う私なども、これでもＡ型を鑑として人の立場を尊重し、譲れるところは譲っているつもりだ。（どこやらから「ウッソー！」と非難の声）　一方で、自分の血液型の最大の特性は、常に「伝家の宝刀」としておかねばなるまい。この「宝刀」は、あまり使いすぎてもちびてナマクラ刀になるし、使わなさすぎてもサビ刀で役に立たなくなる。人間、「地」で勝負するときに最高の仕事ができる。これは私も幾度も経験してきたことだ。　日本の社会というのは、人間の性格に画一的な理想を押し付ける。一昔前は、男性がＯ型的、女性がＡ型的であるのが理想とされてきた。現代では、男性がＡ型的、女性がＯ型的と逆転している。こんな社会のもとでは、血液型の個性など活かしようもない。　愚痴ばかり言っていてもしょうがない。血液型にかかわりなく、献血には皆さん足を運びましょう、というのを結語としておく。
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