| 【MyFavoriteMusicianⅡ】 |
| （29)逆輸入の華、アンジェラ・アキ |
| 彼女をテレビで視たのは多分一度だけだ。 どんな番組か、詳しくは忘れてしまったが、彼女がMCをつとめるドキュメンタリー番組だった。 彼女の言葉はネイティブの日本語に間違いないが、ちょっと関西アクセントが入っており、大阪の姐ちゃんなのかと思っていたが、調べて見ると徳島出身だという。皆さん、もちろんご存知とは思うが、四国は関西アクセントである。 その名前からも風貌からも分かる通り、アメリカン人とのハーフ。まさにバイリンガルの申し子のような人である。 中学校は岡山、高校ではハワイに渡る。そして大学はワシントンへ。 そこで、学園祭のライブを観たのをきっかけに音楽への道を志す。 大学卒業後は、昼間働きながら夜はライブハウス等で歌う生活。やがてそれに飽き足らず、プロを目指し始める。 そして、彼女の曲が見出されたのは日本でのCMソング採用だった。 メジャーデビューを目指して帰国したものの、20代半ばを過ぎていたため、苦戦。 だが２年後、CDをリリースし、デビューに成功した。 それからは順風満帆と言ってよいだろう。 それからの主なヒット曲（と言うか、僕の知っている曲）には、次のようなものが。 「Kiss me GoodBye」 「サクラ色」 「孤独のカケラ」 だが、何と言っても彼女の不動の位置を確立させた曲はこれだろう。 「手紙～拝啓 十五の君へ～」 ♪拝啓 この手紙読んでいるあなたは どこで何をしているのだろう 十五の僕には誰にも話せない 悩みの種があるのです 未来の自分に宛てて書く手紙なら きっと素直に打ち明けられだろう （中略） 今 負けないで 泣かないで 消えてしまいそうな時は 自分の声を信じ歩けばいいの 大人の僕も傷ついて眠れない夜はあるけれど 苦くて甘い今を生きている （中略） いつの時代も悲しみを避けては通れないけれど 笑顔を見せて 今を生きていこう 今を生きていこう 拝啓 この手紙読んでいるあなたが 幸せな事を願います。 この曲は紅白でも歌ったし、全国中学校音楽コンクールの課題曲にもなった。 そして、この曲をモチーフにした映画まで作られた。 その映画、観たことがある。 「くちびるに歌を」 主演は新垣結衣。 ガッキーには少し不似合いな暗い役柄だったが、でもやっぱりガッキー最高。（笑） だが、何よりも、この曲を聴いた少年少女がどれだけ救われたか。中には自殺を思いとどまった子もいるかも知れない。 アンジーの歌が最後には日本で評価されたように、彼女の原風景には日本語がある。だからアンジーの歌詞には、人を揺り動かす力があると思う。 休養を経て現在も活動中。４０代半ば。もう一華も二華も咲かせてほしいものだ。 敬具 |
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