| 【MyFavoriteMusicianⅡ】 |
| （64)ＺＡＲＤの泉水 |
| それにしても悲しいできごとだった。 2007年、病気入院していたZARDの坂井泉水さんが突然転落死されたのだ。 事故とも自殺とも言われた。真相は分からない。 病状を悲観したのだろうか。優秀な抗がん剤のできた今なら、延命できただろうに・・・ ZARDはSuperflyと同じく、実質ボーカルの彼女一人で構成するユニットである。 いつ彼女の歌を聴き始めたのかよく覚えていない。 気がついたら、メディアに盛んに流れ、耳にしみついていた。 彼女は1967年生まれ。僕とちょうど一回り違う。知り合いにはその年齢の人は誰もおらず、「空白地帯」だ。 当初はモデルやレースクイーンをしていたらしいが、23歳で歌手に転身する。 楽曲では作詞を担当していた。よい作曲家に恵まれ、順調にヒット曲を連発する。 デビュー曲は「Good-bye My Loneliness」。今聴いてみるとなかなかよい曲である。 「眠れない夜を抱いて」に続いて、「負けないで」がミリオンヒットを記録し、スターダムにのし上がる。 例の24時間テレビのテーマ曲である。あの番組は善意の押し売りみたいで大嫌いなのだが、確かに多くの人を勇気づけた、いや今も勇気づけている曲であることは間違いない。 「揺れる想い」も続くミリオンヒット。 ♪ 揺れる想い 体じゅう感じて 君と歩き続けたい in your dream （以下略） 「翼を広げて」も好きな曲だ。 ♪ 夏の落とし物 君と過ごした日々 洗い立てのシャツのような笑顔 今も忘れられない （中略） 翼を広げて 旅立つ君に そっとエールを送ろう 誰のためじゃなく ただ君のため 愛してたよ この曲をはじめ、「名探偵コナン」とのコラボ曲が多い。 今も広く愛されている所以は、彼女独特の「前向きのメッセージ」にあるのでは。 別れをいとおしむ昭和の詞ではなく、平成のメッセージだった。 典型的な地声の中音域できばらずに歌う。ロックロックしていないところもお気に入りだ。 そう大ヒットしたわけではないのだが、妙に耳について離れない曲がある。 「In My Arms Tonight」という曲。 ♪ そう知らなかった 今も愛してるなんて 雨の降る日は切ない いつも忘れないでいるわ そう あなたのことだけ たまには束縛して my love 声を聴かせて 熱く見つめて あの頃のように 季節も街も 流れてく 夢を見させて 時間を止めて ねえ 少年のように甘えてほしい Let me hold you in my arms tonight （以下略） この歌詞の中の「声を聴かせて 熱く見つめて」および「夢を見させて 時間を止めて」のリズムが妙にハマるのだ。 次号でとりあげるビリー・ジョエルに「Allentown」という曲があるが、あのリズムにハマる感覚に近いものがある。 没後17年目、「去る者は日々に疎し」というけれど、彼女の歌はこれからも聴きつがれ、歌いつがれていくだろう。 （次はＢｉｌｌｙ Joel） |
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