| 【MyFavoriteMusicianⅡ】 |
| （72)生きとし生けるイルカ |
| 今更何でこの人？という非難は敢えてお受けしよう。 盲点だったと言うしかない。 年齢不詳の73歳（笑）。 「あの頃の僕は」でデビューしたのが1974年。僕が大学に入った年。 フォーク全盛時代からニューミュージックの風が吹き始めていた。 以前にも述べたが、現代ポップスの流れには二派閥があって、「フォーク派」と「シティ派」。 彼女は吉田拓郎や中島みゆきの流れをくむ前者の大御所である。 我々の世代であれば、カラオケで「なごり雪」を歌ったり聴いたりしていない人は皆無だろう。 元々、かぐや姫・伊勢正三の曲であったものをカバーし、大ヒットした。なんてことも世代的には常識であろう。 幼くコミカルな外見をもつが、決してそれで売っているわけではなく、芯の強い骨太の歌歌いである。 美大卒というのは松任谷由実と一緒だが、シティ派の彼女とは多分ソリが合わないと思う。 私生活でも、子供や孫に恵まれた家庭的路線を歩んでいる。 もう１曲紹介するとすれば、やはり伊勢正三作の「海岸通」。 この曲を知ったのは意外な場所。 盲学校勤務時代、京都府立盲学校へ「近畿盲学校卓球大会」に卓球部を引率して出かけた。 その試合終了後、「懇親会」が開かれ、その場で京都府立盲学校の生徒諸君が演奏してくれたのがこの曲。一目、いや一耳でいい曲だと思った。 「なごり雪」が男性の立場で歌った曲であるのに対し、この「海岸通」は女性の立ち位置で作られた曲。 伊勢正三氏には、このような「情景描写」と「男女の別れ」をコラボさせた名曲が多い。ハッピーな曲はほとんどなく、一体どんだけ女と別れてんねん、とツッコミたくなる。 しかもそれをさらっと明るく歌ってしまうイルカ君。（笑） 「いつか冷たい雨が」は、彼女の動物愛を歌った名曲。彼女自身の作詞作曲だ。 ♪ 雪のふる駅の片すみで だれにもいたずらされない様に うずくまっている年老いた犬 （中略） 人間以外のもの達にも もっとやさしくして下さい 同じ時を生きているのだから 朝が来れば夜も来るし 生まれて そして死んでゆく 私が土になったら お花達よ そこから咲いて下さい 彼女は東京生まれだが、なぜか神戸とも縁が深い。 「コープこうべ」のイメージソングとか、神戸市民ソングも作っている。聴いたことないけど（泣） 先日亡くなられたちびまるこ声優ＴＡＲＡＫＯさんと「同じ声」のよしみでジョイントコンサートやったこともあるという。それは是非聴いてみたかったな。 まあ、せいぜい長生きして我々を癒やして下さいな。 |
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