【MyFavoriteMusicianⅡ】

（95)光を超えたStevie Wonder

　未熟児網膜症。
　医療技術の進歩で最近は減少したらしいが、半世紀前には決して珍しい病気ではなかった。
　僕の教え子にも何人もいる。そのほとんどは全盲である。
　Stevie Wonderもその一人。もっとも彼は光覚はあるらしく、まだ恵まれた方だ。
　元盲学校教師ということもあって、全盲のアーティストにはわりと関心がある。
　日本の歌手では長谷川きよし。加藤登紀子とコラボしたりしていたっけ。
　クラシック畑だが、新垣勉。彼の歌にもいろいろ影響を受けた。
　ピアニストの辻井伸行は世界的に有名である。むしろ彼のコンサートは視覚で視るべきだ。
　外国ではレイ・チャールズも有名である。
　彼らは視覚のハンディをむしろアドバンテージに変えている気がする。その研ぎ澄まされた音感は、特異点を極めていると言っても過言ではない、と音痴の自分が語るのは説得力がないが。
　まず挙げたい曲は「You Are The Sunshine Of My Life」
　
　♪　You are the ｓunshine of my ｌife
　　　　That's why I'll always be around
　　　　You are the apple of my eye
　　　　Forever you'll stay in my heart
　　　　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
　
　歌詞の内容もメロディもとてもやさしい。国籍・性別・年齢を一切問わず彼が世界中で愛される理由である。
　「天才少年」として注目されてから現在までにシングル・アルバムともに記録的なヒットを生み出している彼だが、特筆すべきはその社会性である。
　重篤な交通事故から復活後、彼は慈善活動、平和活動に目覚め、「We Are The World」の中心を担った。
　そして、もし彼があのクソトランプの支持者だったら、ここで採り上げたりはしない。彼は一貫してリベラリスト、民主党支持者である。
　一番好きな曲は何と言っても、「I Just Called ToI Say I Love You」
　
　♪　No New Year's Day to celebrate
　　　No chocolate covered candy hearts to give away
　　　No first of spring, no song to sing
　　　In fact, here's just another ordinary day
　　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
　　I just called to say I love you
　　I just called to say how much I care, I do
　　I just called to say I love you
　　And I mean it from the button of my heart
　　Of my heart
　　Of my hearｔ
　
　嗚呼、英語入力めんどくさ！（苦笑）
　こんなに簡単に自然に、あっさりとアイラブユーが言えたら、僕の人生も違ったものになっていたかも知れないな。世の中、あまりにも桎梏が多すぎるのである。（涙）

　（次はABBA、行ってみよう）
　　　　　　