| 【MyFavoriteMusicianⅡ】 |
| （74)売れない？谷山浩子 |
| Ｓ高勤務時代、当時担任していたＮさんに「谷山浩子のファンだ。」と話したら、 「先生、意外－！」と言われた。 だが、自分にとっては不思議でも何でもなく、独身時代から愛聴していたアーティストである。 多分、初めて聞いたのはラジオだったと思うのだが、「お早うございますの帽子屋さん」。 ♪ 誰だってみんな、優しい人ばかり だから、お早うございますの帽子屋さん （中略） 赤い帽子、オレンジの帽子、みんなにあげます、ルルル・・・ 笑ってください、そして手をつないで ジョン・レノンの「ＩＭＡＧＩＮＥ」みたいな歌だ。（笑） それから「河のほとりに」とか、「ねこの森には帰れない」も聴くようになり、気がついたらＬＰアルバムを数枚入手していた。それらは何故か、未だに残っており、数少ないレコードコレクションのうちの過半数を占めている。他のＬＰのほとんどは傷がついてノイズだらけになり、泣く泣く廃棄したのに、谷山浩子だけが残ったのは、演奏回数が少なかったからではなく、あの厚かましい妹どもがこの歌手だけには興味がなく、雑なかけ方から免れたからだと推測される。 そんなある日、同僚のＫさんがこんなことを言う。 「この前ウトウトしながらラジオかけとったら、どえらいええ曲がかかっとって、「お早うございますの何とかって、言うんじゃけど、鈴木さん知らんけーの？」 彼が広島出身であることはすでにお分かりと思うが・・・ 「それだったら、谷山浩子やね。レコード持ってるけど。」 と言ったら、「おーおー、それやったらダビングさせてくれんかのー。」 この種の人たちは絶対自分でレコード買うことはないのである。快くカセットに録音してあげた。 谷山浩子、同い年くらいだと思っていたら、一つ下だった。東京生まれで、名門のお茶の水女子大附属高校を出ている。 子供の頃からピアノを習って英才教育を受け、作曲の才能があったという。 16歳のとき、ＮＨＫの「ヤング101」のメンバーになり、芸能界デビュー。これって、要は「スクールメイツ」みたいなもんである。実は古い番組見てるうちに偶然彼女を発見し、ＷＩＫＩ以前に知っていた。 もちろん、彼女がバックダンサーで終わるはずもなく、17歳でポプコンつま恋で、上記の曲が入選し、実質のデビュー曲となる。その２年後、「河のほとりに」、「窓」などがヒット。 彼女自身は「売れない歌手」と自称しているらしいが、なかなかどうして、名曲揃いである。 もっとも、「ねこの森には帰れない」は最後までシングルカットされることなく、アルバムの表題を飾るのみである。 ♪ きのう手紙が届きました ふるさとのねこの森から お元気ですか もう10年も帰らないので 心配してます （中略） ねこの森には帰れない 帰る道だっておぼえてない ねこの森には帰れない なくした歌は歌えない メルヘンチックで、どこかもの悲しく響く彼女のメロディは、派手な化粧やリア充な生活とは無縁な恋愛弱者たち、まれには私のような草食系男子に支持されてきた。 作曲者としても根強い人気を誇り、ＮＨＫの「みんなの歌」にも、数曲が採用されている。そちらはコミカル路線が受けたようだ。 言っちゃあ悪いが、典型的な「陰キャ」であり、個人的にも「売れない人」かと思っていたら、結婚歴があるらしい。その旦那とは死別したらしいが・・・ そういうわけで、久しぶりに「窓」でも聴いてみるか・・・ ♪ 教室の窓から見る秋は いつも不思議に光ってた （中略） やさしい時代を置き去りに やがて街に飛び出した僕には 教室の窓がもう見えない 夢の行き場がどこにもない いや、毎晩夢に出てきますって・・・・ （つづく） |
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