| 【MyFavoriteMusicianⅡ】 |
| （62)フツーのヤイコ |
| 矢井田瞳のデビューは2000年、ミレニアムの年。 曲よりも先に私に飛び込んで来た情報は、「現役女子大生、衝撃のデビュー」。 それも関西大学だという。 関大と言えば、そのすぐ近くに大学３年～就職後１年目まで住んでいた。 一度、「キャンパス潜入」を試みたことがある。 学生食堂、だったかカフェだったか忘れたが、いかにもそこの学生のフリをして、しばらく行き交う女子大生の「品定め」をしていた記憶がある。ただの変態やん。 女子なんて、貴重品もいいところのわが大学と違って、そこにはゴマンとピンキリの人材が溢れていた。自分の境遇を嘆きたくなったものである。 そんな関大の女子大生がデビューした頃には、私は４５歳、もう押しも押されぬ中年となっていた。最初に名前を聞いたのは多分ラジオで、アナウンサーの音声のみだったため、私が彼女に対して抱いた最初の妄想は「森山良子の現代版」みたいなイメージ。（森山良子は大学には行っていないにもかかわらず、「キャンパスの女王」と呼ばれていた。） だが、彼女はテレビ出演はあまりしなかったため、最初にそのご尊顔を拝見したのは、深夜の音楽番組、「Counｔdown-TV」だったと思う。知る人ぞ知る、J-POPのヒットチャートをランキング順にダイジェストで紹介する番組だが、ちょっと意外な第一印象だった。 （この娘って・・・フツーの・・・大阪のおばちゃんやん） 丸顔に大きなホクロ、声はと言えば・・・透明感のある、じゃなくて演歌を思わせるようなひっくり返った裏声・・・ガッカリと言えばガッカリ、リズムはロックンロールだったし・・・（これには理由があって、彼女は石川さゆりに強い影響を受けたらしい） 彼女もまたありきたりのロックンローラーなのか・・・ だから、しばらく彼女の曲は聴こうとは思わなかった。私の場合、CD購入から入るのが常道なのだが、実際にCDを手にするのは中古CDコレクションが本格化する50代以降だったような・・・ まあ、それでも一度聴けばクセになる奇妙な魅力に徐々にハマっていくことになる。 実質のデビュー曲、「My sweat darlin'」をまず思い浮かべる人が多いだろう。♪ダーリン、ダーリン♪のサビが耳に残る。インテリの女子大生、らしく、横文字の題名や歌詞の歌が多いのも特徴だ。 そのインパクトの強さから、CMソングやキャンペーンソングに起用されることが多い彼女だが、「やさしい手」や、「START LiNE」もそうだ。 だが、何と言っても私が完全に心をわしづかみにされたのは、「Go my way」である。 2006年リリースのこの曲は、やはり何かのCM曲である。テレビで流れたこの映像もなかなかコミカルで面白いものだった。 B型人間は、何かにつけ「マイペース」と言われがちなのだが、彼女もまたB型のはずだ。 （Wikipediaには血液型は記されていないが、私は一度聞いた人の血液型は忘れないから多分間違いないはず） そんな彼女の真骨頂ともいうべきこの歌の歌詞とリズムに私は完全にはまり込んでしまった。 今でも、この歌がかかると、体にスイッチが入って踊り出してしまう。そんな曲はサザンオールスターズを除いては彼女のこの曲以外にはない。 ♪ 何してんだろう こんなはずじゃないだろう 自転車 立ちこぎ 振りきっていく 生きてくことは まだ掴めない 夜が朝に変わるように 大人になれば増えると思ってた 希望や夢は複雑になるばかり うつむいて取り残された場所を深く掘ってみよう 泉が眠るはずよ It's my rainy day, but I'll just go anyway 見えるなら行くのみだろう 溢れてるの 曲がらないの どんな時間がかかっても （後略） 彼女のこの曲はこれからも僕の人生を励まして行くだろう。 彼女もまたGo ｍｙ wayを貫いてほしい。 |
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