| 人波離れてしまなみへ | |||
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| 因島大橋を渡る | |||
| ①尾道から因島へ |
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| コロナウィルス騒ぎが収まらない。 敢えて人の多いところは避けている私だが、活動を止めるわけにもいかない。 そんな中、ふと思いついたのが「自転車旅」。以前から行ってみたいと思っていた「しまなみ海道」。 三百名山シーズンが始める前のこの時期、決行のチャンスだ。 そもそも、予備知識はＹｏｕＴｕｂｅから得ていた。 外国人ユーチューバーのサイト、internationallyMeというのをご存知だろうか。 やっているのはAngeraさんという若い女性。 彼女、日本人と中国人のハーフで、国籍はニュージーランドというまさにインターナショナルな人。 でも見かけは全くの日本人で、日本語も上手なので、とても親しみやすく、大好きなユーチューバーの一人だ。彼女、日本中を旅行してそのリポートを上げているのだが、その中に「しまなみ海道」があった。彼氏と二人で出かけたのだが、宿も予約せずに行って苦戦する様子が見られた。もちろん、私はちゃんと予約は忘れない。 また、これも長いことフォローしているユーチューバーに、カナダ人のSharlaさんがいる。Sharla in Japanというサイトをやっていて、これも日本各地のレポートで有名だ。実は彼女、K-POPにはまるあまり、韓国人と結婚してしばらく韓国に移住していたのだが、ソウルのあまりの空気の悪さに辟易して、（もちろんそれだけではないだろうが）離婚して日本に戻ってきた。彼女がAbroad in JapanのChris君らと、やはりしまなみ海道にチャレンジする様子も視聴した。 そんな訳で、「雰囲気」は感じていたものの、実際行って見てどうか、私は準備に取りかかった。 扇ノ山アタックでよもやの突然クラッシュを起こして、数々の歴史を刻んできたピンクちゃんが逝ってしまい、その後継者として選ばれたのがホワイト君だった。彼は那岐山で鮮烈なデビューを飾ったものの、翌年、東赤石山に行こうとしたその瞬間、ブレーキの不調でリタイア。その後、タクシー利用が一般化する中で出番を失っていた。また、高速バスが自転車を積ませてくれなくなったことも大きく響いた。２年間ベランダでバッグに入れられたまま過ごす不遇の日々。そんな彼もついに日の目を見るときがやって来た。 まずブレーキを調整し、給油・給気、ライトの交換など、完璧にチューニングした。 また、より快適な自転車旅にするため、「専用ウェア」も注文した。注目ポイントはパンツのお尻に入っている衝撃吸収パッド。これが劇的な効果を発揮することになる。 背負うリュックはなるべくコンパクトに。一泊分の着替えのみ用意し、ヘルメットとサングラスも忘れずに。 そして出発の日を迎えた。 本四架橋の構想がぶち上げられたのはもう半世紀も前になる。本州と四国の間に３本もの橋を架ける。もちろん「税金の無駄遣い」だと批判の声も多かった。 私の記憶では「瀬戸大橋」が一番最初に完成し、ついで「しまなみ海道」、最後が「明石海峡大橋」だったような・・・ こういった大規模プロジェクトの是非には常に議論がつきまとう。「そんなもの止めて福祉や教育に回せ。」と主張する人が周りには多い。だが、例えば「東海道新幹線」はどうだったか。当時の国鉄総裁が半ばごり押しに、整備費用も低額に偽装してやった結果、今では国民生活に欠かせない大動脈となった。 本四架橋もそんな大局的見地で振り返られる日が来ている気がする。 中でも、「しまなみ海道」は、自転車や歩行者でも渡れるという点で、他の二つとは違って異彩を放っている。今でこそコロナ騒動で客足は落ちているものの、通常は外国人サイクリストが大量に押し寄せて引きも切らないらしい。Angeraさんのビデオでも、宿泊施設はほとんど満室の状況だった。 今回、私が簡単に予約を取れたのも、コロナのおかげとも言えるのは皮肉だが・・・ 西明石から新幹線で新尾道へ。11時20分到着。早速ホワイト君を組み上げて（５分とかからない）、スタートを切る。 グーグルマップで「しまなみ海道」を検索すると、海岸沿いへの道を示された。取りあえずそれに従って行ってみることにする。 途中、コンビニでお昼の補給。 さて、着いたのはＪＲ在来線の尾道駅。そのすぐ向かいは海で尾道港がある。でも、橋の取り付き点は全く見当たらず、（遙か彼方に自動車橋は見えているが・・・）一体どうすればいいのか。しばらくその辺をウロウロしていると、40代くらいの女性が通りかかったので訊ねてみると、「そこのレンタサイクル屋さんの人に訊いてみたらいい。」と言う。 行って若いスタッフに訊くと、「そこの乗り場から船で向島まで渡って下さい。」とのこと。えー、そんなこと知らなかったよ。ずっと道路で渡れるのかと思っていた。 帰ってからもう一度Angeraさんのビデオを見ると、確かに彼女も渡船に乗っていた。肝心のことは何も頭に入っていないオバかな私・・・ 実は遠くに見える自動車橋まで行けば自転車道もあるらしいが、とんでもなく遠回りになるようだ。別にこだわるほどのチャリダーじゃないので、「全行程走破」の記録はいらない。 乗り場に着くと、数名の待ち人が・・・うち一名、サイクリング車を操る若い女性が・・・髪の毛が淡い栗色でお鼻も高いので一瞬Youかと思ったが、よくよく見ると日本人のようでもある。ひょっとしてハーフ？ 船はすぐに来た。料金は船上でおじさんが徴収に回ってくる。たった￥110である。５分ほどで対岸の向島に着いてしまった。 ハーフっぽい彼女はあっという間に先へ行ってしまった。私はどっちに進んでいいのかもわからずキョロキョロ。やはりグーグルマップの世話になるしかない。実はさっきの彼女、二日目に反対方向から戻ってくるのに遭遇した。相当の健脚みたいだ。 実は、この向島でしばし道に迷ってしまうのだが、それには私の重大な勘違いがあった。それは・・・ 「しまなみ海道」というのは、元々「中国四国自動車道」のことであり、これは自動車専用道であるため、サイクリストは走れない。自転車は専用のサイクリングロードを走るのだが、それは島内では全く違うところを通っている。両者が並行しているのは橋の上だけなのだ。 グーグルマップ通りに進むと、道は峠にかかり、登り切ったあたりに自動車道への入口があった。一瞬そこに入りかけた私だが、自転車道沿いに、「因島 自転車・歩行者」と示された看板があるではないか。その矢印は峠を下る方向を示している。なので、下りに向かう。 ところが下って直進するも、先には因島に向かう橋らしきものは何も見えない。だんだんと不安になってきた。（本当にこの道でいいのか？） 実はこの時間帯、向こうからやって来るチャリダーは全くいなかった。一人でもいれば、それで間違いないと確信できたのに、いなかったものだから迷いが生じたのだ。 （やっぱりさっきの自動車道の方向じゃないの？）と私はせっかく下ってきた峠を登り返し始めた。自動車道の方向へ向かうと、そこには・・・料金所があって、「自転車・歩行者進入禁止」と・・・ やはりさっきの方向しかなかったのだ。再び峠を下った私だが、この体力ロスが先に行って効いてくる羽目になる。 民家の軒先に男性がいたので訊ねると、 「ここを直進して海に突き当たったところを左に曲がって４㎞ほど走ると橋が見えてきますよ。」とのこと。 実際に行ってみると、視界に因島大橋が飛び込んで来た。 その先に休憩所があり、ここでようやく一服、FACEBOOK投稿する余裕ができた。実はこの休憩所なるもの、道中の所々にあるが、自販機はあってもトイレがない所が多いので、特に女性は注意のこと。 さて最初の橋、因島大橋だが、ここに入る道路は橋の下をくぐった先から大きく回り込んで登っている。自転車・歩行者専用の取り付け道路である。実はすべての橋にこれがあり、登り切るのに結構体力がいる。登っていると、先に若い女子二人組が・・・登りには自信がある私だが、なかなか追いつこうとしても追いつけない。普段ママチャリにしか乗っていない・・・長年のブランクが身にしみた。 でも何とか我慢して離されないようにしていると、そのうち向こうのスタミナが切れたようだ。一気に立ち漕ぎで追い抜いてやった。ちなみに私は座って漕ぐのは苦手で、登りでは立ち漕ぎ派だ。このホワイト君、目一杯に上げてもサドルが低すぎて脚を伸ばして漕げないことも関係している。帰ったら自転車屋に行って高いものに交換しようか・・・ 因島大橋は上の写真のような２階建て構造になっていた。これは自転車・歩行者、そして原付の専用道路である。だが、このような構造はこの橋だけであり、他の橋はすべて吹きっさらしの並行構造だった。 そして、美しい瀬戸内海の景色も眺めつつ、因島に入った。 実は、この島に立ち寄ってみたい場所があった。（つづく） |
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| ファミマ居酒屋（IKIDATE ＣYCLYST HOSTEL） | |||
| ②因島から大三島へ | |||
| 因島大橋を下りた所で、道は左右に分かれていた。 右へ行けば、サイクリング道路をそのまま辿って次の生口島橋へ。 だが、私は左へ進路をとった。 少し下ると道は海岸沿いになり、美しい島嶼の風景が・・・だがもちろん海を見に行ったわけではない。 その目標物は海岸沿いから少し右折して内陸に入った所にあった。 すぐにそれと分かる解説板が現れた。 だがその解説、長年放置されたままだったようで、かなり字がかすれていて読みにくい。 資料も調べた上で、ここに再現する。 本因坊秀策 1829年尾道市因島外浦町に生まれ幼名を虎次郎と言い、 母が囲碁を好んだ気質を受け、６才ですでに近郷に敵なく １８４１年に名を秀策と改め１年に１段づつ昇段し、１５才で ４段の免許を得ました。 秀策が２０才の時、本因坊家の跡目と決められ、その後 ６段位を受け本因坊丈和の娘、花と結婚しました。 １８４８年御城碁に初めて参加して以来１３年間に不敗 １９連勝という前人未踏の記録を作りましたが、１８６２年に 江戸にコレラが流行して３４才で亡くなりました。 「本因坊秀策囲碁記念館」は、そのすぐ先だった。 自転車をロックして向かうが、閉ざされた入口に何やら掲示が・・・ 「本日は休館します」 オーマイガー、何でだよ。ひょっとしてコロナ関連かと思ったが、ホームページを見たところ、この日火曜日は定休日だったようだ。ついてない。 すごすごと引き返すしかない。 なお、本因坊秀策は「碁聖」と呼ばれ、碁を打つものであればリスペクトしてやまない歴史的人物である。碁を打たない方にはチンプンカンプンな話になるが、こちらの小目の石にケイマががりされたとき、小目の石から中央にコスむ一手は「秀策のコスミ」と呼ばれ、打ち始めた秀策自身が「どんなに時代が変わろうとも、この一手だけは悪手にはならないだろう。」と語ったと伝えられている。 この「秀策のコスミ」、現代碁では「ぬるい」とされて廃れていたのだが、何と最近人間様を凌駕した囲碁ソフトが再び「最善手」と判断して打ち始めたことで、脚光を浴びることになった。まさに「神の領域」的な逸話である。 元の分岐点まで戻るのは遠回りな気がして、生口島橋まで最短な近道をグーグルマップで探る。どうやらそれはあるようだ。 少し戻って左折し、しばらく進むと、そこは因島の中心街らしく、スーパーやホームセンターが建ち並んでいる。そこを右折して内陸に向かうと、道は峠へと向かう。この峠を下って左折すると生口島橋が見えてきた。 ここを渡って生口島に入る。 サイクリング道はこの島を反時計回りに次の橋へと向かっている。 だがここら辺りで、脚のダメージが顕在化してきた。 普段、ママチャリにしか乗っておらず、このような長時間、しかも峠の上り下りはやっていない。脚、特に太腿の上側が今にもつりそうなくらいパンパンだ。 そして、私にさらに与えられた試練は、真正面から吹き付ける向かい風だった。 自転車旅行をした人であるならば、向かい風がどれだけ辛いか体験しておられるだろう。ギアを最強に入れたとき以上にペダルが重くなり、それでいて遅々として進まないフラストレーション・・・ 地獄で仏じゃないが、左手に休憩所が見えたので、しばし休んでいくことにする。 ポカリでイオン類を補給し、体操をして少しでも筋肉をほぐそうと・・・ ちなみに自販機はたくさんあるので、水分補給は手軽にできる。 リスタートしたが、やはりスピードは上がらない。でも、ボチボチ行くしかない。 この島、「生口島」は、「芸術の島」として売り込んでいるようで、あちこちに彫刻やオブジェが置かれていたり、美術館があったりするのだが、正直それらに気を払う余裕がない。 まもなく右手にＪＡのコープが見えた。それほど腹も空いていないが、食糧補給すれば筋肉痛もましになるかも、と自転車を停める。 ミニクロワッサンとサラミソーセージを摂ってしばし一服。 時刻は４時前後だったろうか・・・夕食がおいしくなくなるので、普通この時刻にものを食べたりはしないものだが、実はこのチョイスが大正解だった。 やがて本日最後の橋、大三島橋が姿を現した。この橋を渡れば宿はもうすぐだ。 橋の取り付け道路を登っていると、右側にベンチが・・・ここがフォトジェニックなスポットのようで・・・ ちなみに今回の撮影はスマホのみ。荷物を減らすためデジカメは持参していない。 ベンチには何故か巨大なレモンのオブジェが鎮座ましましていた。実はこの生口島、「レモンの島」でもあった。かつては輸入レモンに押されて廃れかけていたが、外国産レモンの「ポストハーベスト農薬」が問題になり、国産レモンが再び見直されて増産が進んでいるようだ。道々レモン畑もたくさんあり、「１個かじりたいな。」と思ったが、さだまさしの歌を真似すると犯罪人となるせちがらい世の中・・・え？それは古すぎる、米津玄師ってか、俺は嫌いだよ。 大三島橋を下り、左手から右手に旋回すると、キャンプ場があり、まだ寒いのにキャンパーが・・・その中にはチャリダーもいる。 そこを抜けると、右に大きな駐車場が・・・ファミリーマートだ。 本日の宿、「IKIDATE ＣYCLYST HOSTEL」は、そのすぐ前に・・・あったあった。５時すぎ到着。 ここは外国人向けを意識したまさにチャリダーのための宿だ。 普段は外国人中心に満室のようだが、この日の占有率は３割くらいだろうか。外国人は欧米人がほとんどで、アジア系は見かけない。やはりコロナが色濃く影響しているようだ。 自転車置き場にロックオンしてチェックイン。 そこで思いもかけないことを言われた。 「レストランの利用は９時以降でお願いします。」 実は今日の宿泊プランは「素泊まり」である。ファミリマートの前、と聞いた時点で、「居酒屋開業」を予定していた。ところが、居室では飲食禁止、と言うことはレストランを利用するしかないが、レストランは９時までは「夕食付き」プランの客が利用するので、持ち込み利用は９時から、となる。 ここで、さっき軽食を摂ったことが効いてきた。それまでに一度仮眠をとることができる。 居室は、「ドミトリーベッド」。言わばカプセルホテルみたいなもんだ。それよりは少し広いが。大きなキー付きロッカーが使えるので、荷物はそこに置くことになる。 さすがにくたびれた。とすぐにベッドの横になって爆睡。１時間半、すなわちワンサイクルの睡眠となった。９時前、満を持してファミマに買い物へ。 そして、上写真の居酒屋がパンパカパーン。 ちょっと買いすぎの感があるが、昼間のカロリー消費が効いたのか、全部胃袋に収まった。 酔いもそれほど回らず、後にも残らなかった。 ここは風呂がなくシャワーのみとやはり外国人仕様。９時から１１時までは女性専用とやはり不便を強いられるが、１２時まで待った。 仮眠とったので寝付きが悪いかも？なんてのは杞憂で、昼間の疲労が安眠に誘導してくれた。 ｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚ（つづく） |
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| 今治城にて | |||
| ②大三島から今治へ | |||
| 朝食は洋風ビュッフェ。オプションで1100円は少し高いようだが、宿泊料が3600円だからトータルしてまことにリーゾナブル。白米食べない主義の私にはちょうどよい。 出発は９時少し前。十分眠れたし、出るものも出たし、今日の私に死角はない。 今日のコースはまず、大三島を時計回りに海岸沿いのルート。平坦で楽ちん。 大三島大橋までは５、６㎞の行程だった。 この橋を渡ると、伯方島に入る。この伯方島を走ったのはほんの束の間だった。 すぐに伯方島・大島大橋が見えてきた。 この橋だが、伯方島大橋と大島大橋がドッキングしたものだ。途中に小さい島があり、そこが継ぎ目になっている。 この両島間は「瀬戸」になっており、渦潮が波立っている。まあ、鳴門のミニ版みたいなもの。 次の大島はその名の通りデカい島だった。 まもなく長い峠に入る。ここらあたりからすれ違うチャリダーが増えてきた。 おそらく、この日の朝に今治を出発した人たちだろう。 若者が多いのだが、中には大きなテントをかついだ熟年者もいる。 彼らの共通点として発見したことがある。 それは、立派なサイクリング道路が両側についているのに、わざわざ車道にはみ出して走っていることだ。たしかに交通量が少ないからそれの方が走りやすくスピードも出せるのかも知れない。だが、多額の費用と労力を使って設置されたサイクリング道を無視していいものだろうか。 また、運転免許を持たない私が言うのも何だが、車の側から見れば、車道にはみ出し走行している自転車群は目障りな存在に違いない。その度に徐行と迂回を強いられる。 橋について言えば、自動車や単車は有料だが、自転車は無料である。それだけ優遇されていることをチャリダー達はもう少し自覚してもいいのではないか。テント泊して費用をやたら節約しようとするのもどうかと思う。地元にお金を落とさなければ、巨額を投じて作った橋の意味合いが薄れる。 大きな峠を下ってやれやれと思ったら、また次の峠が現れた。今度は少し短く、これを越えるといよいよ最後の橋、と少し気合いがみなぎる。 下りにかかった。下りきったところに道の駅が・・・ ここで少しトイレとドリンク休憩。 すぐ前には巨大な橋が姿を見せている。こいつは・・・これまでのどの橋よりも大物だ。まさにラスボスと言ってもよい。来島海峡大橋である。 取り付け道路を登ろうとすると・・・前方に身長２ｍくらいある巨漢外国人が・・・レンタサイクルを押して歩いている。彼に限らず、これまでに見た外国人は坂道を押して上がっていることが多かった。日本人のチャリダーのように、あくまで漕ぎきることにこだわってはいない。国民性の違いというか・・・ そして来島海峡大橋の本体に取り付いた。あとはもうこれを渡るのみ、と思ったらペダルが・・・超重い。 吹き付ける向かい風に加え、橋自体が・・・登っているではないか。 しかもその距離が・・・長いこと長いこと。 （おい、この橋、明石海峡大橋より長いんとちゃうん？） 帰ってから調べてみた。 明石海峡大橋、全長3911ｍに対して、来島海峡大橋、全長4105ｍ、確かに・・・ ただ、この橋は３つの橋がドッキングしたものらしく、記録的には問題はあるが、走って渡る者からすれば、「そんなの関係ねえ。」 え？お前明石海峡大橋の長さ、体感したことあるんかって？ おあいにく様、開通前の「記念マラソン」で走ってるよーん。 勾配と向かい風には苦しめられたが、ようやく終わりが見えてきた。 ところで、この向かい風、この季節には普通なようだ。これまで、同方向に向かうチャリダーよりも、反対方向が圧倒的に多い理由がこれだろう。チャリダーの間では常識なのか・・・ ただ今治から出発しようとすると、神戸からは時間がかかることもあり、スタート時刻が遅くなる。このことに注意が必要だ。 やっとで橋を渡りきって下ると、今治までの距離はもう５㎞を切っていた。 時刻がそろそろ12時に近づいている。混まないうちに飲食店を見つけたい。 ところが、それがなかなか見つからなかった。 ようやく、「中華料理」と書いた看板が・・・ 「本日定休日」ナメとんか！ そして、小さなショッピングモールに隣接して、やたら派手な看板が目に入った。 「フェニックス」。喫茶店らしいが、食事もできるようだ。 カレーライスが名物らしいが、ラーメンが食いたかった。 「チャーシュー麺」を注文。750円、味はそこそこだった。 今治城まではそこからもう20分ほどだった。 ちゃんと天守閣もある立派な城だが、海辺に建っている。こんな城は初めてだ。 自転車を停めて見学することにする。 天守閣の上からは来島海峡大橋、それに続くしまなみがよく見えた。よくぞ走ってきたもんだ。 後はもう今治駅からJRに乗り込むだけ。 そう今回のMVPは、ホワイト君、君だ。 これからも、活躍の機会が・・・あればいいな。（完） |
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