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| (８)露崎春女からＬｙｒｉｃｏへ |
| 今回の特集のためにネット検索してみて、私が初めて知ったことがある。露崎春女＝1974年４月11日生まれ。私の妻と誕生日が同じだが、そんなことはどうでもいい。彼女は当年とって31歳。私の大好きな30代前半じゃないか！実は、もっとずっと年上と思っていた。 私が初めて彼女を知ったのは、深夜のヒットチャート番組。もう10年くらい前になる。もちろん、歌の上手さには印象づけられたのだけれど、それ以上に・・・・ええ女やんけ！ 最近頻繁に使われる「フェロモン」という言葉。まさにこいつがプンプンブラウン管を通して匂ってくるような、そんなプロモーションビデオだったのである。 ということは、である。彼女はそのときまだハタチそこそこだったことになる。私はどう見ても２０代後半と思っていた。老けて見える、のではなく、大人に見える女、それが露崎春女なのである。 春女、私も最初「はるな」と読んでいたが、「はるみ」が正解である。2001年に「Ｌｙｒｉｃｏ」と改名した。「叙情的なソプラノ」というような意味があるらしい。その通り、彼女のボーカルはスキッと突き抜けるような透明感がある。音域も広くて、パンチ力もある。まさにＲ＆Ｂのために生まれたような声質とルックスを持っている。 彼女はこれまでに特集してきた７人と違い、純粋な「シンガーソングライター」ではない。曲も作るけど、他の作家の曲を中心に歌っている。でもそれによって彼女の値打ちが下がるなんて思わない。同じ歌でも、彼女が歌えば迫力がまるで違う。それくらい、圧倒的に歌い上げる歌唱力 の持ち主なのである。 一番最初にブックマークした曲は、「Forever in your heart」だろうか。「乳島物語」のＣＤの中にも入っているので、お持ちの方はメロディだけでも聴いてみてほしい。彼女はＥｎｇｌｉｓｈで歌うことも多いが、この曲は日本語である。 彼女はテレビに出ることはほとんどないし、出たとしてもそこで歌うことはまずない。ラジオでもほとんど彼女の曲は流れることはない。だから、その実力の割に知名度は意外にない。職場の若い女性など、おそらく彼女のことは知ってると思いこんで話をしていたら、ほとんど知らないのでびっくりした。４０代のおじさんが知っていることだって結構珍しいことなのかも。 そしたら、ガンガンライブツアーでやっているのかというと、こちらの方も控えめである。公式ホームページにも、すでに済んだライブの日程が載っているだけで、これからの予定など何も書いてない。希少価値もいいところで、出不精の私など、いくらファンだと言い張っても、彼女のコンサートには一生行けないに違いない。 でも、音楽関係にこまめでない人も、全然知らないと言い張る人も、彼女の魅力を密かに味わう方法はある。それはお正月の「高校ラグビー選手権」を見ることである。ここでスポンサーのテーマソングに使われている彼女の曲「End of Eternity〜永遠の果て」、こいつは間違いなく彼女の最高傑作であり、私の好きな曲ベスト５にも確実にランクインする。「ラグビー選手権」で流れるバージョンは「お子様向け」に歌詞が変えてあるようだが、アルバム「Believe Yourself」に収められている「大人向けバージョン」の歌詞は次のようになっている。 ♪響く扉に くぐらす時をすべて 近づく整えた息で 少しずつたどれば 守りながら 壊れながら でも消えない 傷つけ悔やんだ日々も 濡れた頬も知ってる あなたと今を生きて 重ねた季節が ゆるぎないものならば そっと すくんだ私を抱いて 可笑しいって笑ってよ The End of Eternity 痛むほど強く瞳を閉じて でも消えない 誰にも言えない孤独 分け合う夜を渡るたび 私はそこにいるわ 汚れなく甘い愛しさの果てに 人は何を映すの 終わらない言葉 終わらない想い 明日はどこへ続くの 守りながら 壊れながら でも消えない 傷つけ悔やんだ日々も 濡れた頬も知っている あなたと今を生きて 作詞；Manami Fujino、作曲H.Sommerdahlとなっているこの曲、バラードファンなら惚れ込むこと疑いなし。バラードを歌い上げる能力で、日本で彼女の右に出る女性歌手と言えば、次々回特集する八神純子くらいだろう。 この曲を収めた上記のアルバムは彼女のベストアルバムと言ってもよいが、最近中古CD店で\1000以下で出回っているのだ。えっ？嘘やろ、って感じ、ならばこんなお買い得はない！ 最近ご機嫌なことがある。Lyricoになってからのアルバム「Favours」を最近ゲットした。もちろん中古店では到底手に入る代物ではなく、新品であるが。それに、な、何とDVDがついているのである。これなら\3000台でも高いとは思わない。みなさん、Lyricoと女子十二楽坊は、DVDで聴かないと損ですよ！映像を見ながらニヤけている私の姿をあまり想像されたくはないけど・・・ ため息がでるくらいいい女、Lyrico,これからますます目も耳も愉しませてくれそうである。 （次回は小田和正） 追伸 2020年現在、Lyricoは再度露崎春女に戻ったようである。実は僕もその方がよい。 |
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