バランス配分、重点配分

栄養素には気を遣う方である。ただし、やり方は大ざっぱである。「細心かつ大胆」がモットーであり、それで成功しているように思える。 　ランニングを生活の中心に据えているとはいうものの、何と言っても一番大事なのは健康である。健康を維持するためには栄養素のバランスが大切で、どの要素が１つ欠けてもダメである。生物の授業で私がたびたび強調するところの、「最小律の原理」。その欠けたところからほころびが拡がり、それを他の栄要素で補うことはできない。 　そして私のトレーニング量は、並の市民ランナーレベルを遙かに通り越して、過激なまでになってしまった。そこで消耗する栄養素を、特に重点的に補っていかないといけない。とりわけ、注意すべきはタンパク質とビタミン類。怠ると貧血や疲労の蓄積、体調不良となって現れる。 　とは言っても、食生活を100％自己管理するというのはまず不可能。あてがわれた食事をまず摂った上で、何かを補うという形をとらざるを得ない。朝食から順番に探ってみよう。 　朝は時間もなく、十分な食材も用意されていない。もともとパン食党だったのだが、養護学校勤務の場合、朝６時の朝食に対し、給食は12時。６時間も間が空く上に、毎日休憩なしで体力作り等の肉体労働、とてもお腹がもつものではない。なるべくご飯を中心とした朝食にならざるを得ないが、さらに朝８時半の職員打ち合わせの前後に軽くカロリーを摂っておくことが多い。お菓子等はなるべく避けて、機能性食品を利用している。 　そして、昼食は給食である。安くて外出する手間もいらず、有り難いのだが、いくつかここにも問題点がある。それは、給食は性差、対格差、年齢差、運動量の差、これらを一切考慮せず一律の分量であることだ。動きの激しい日には当然カロリーが不足するし、かと言って安易にお替わりなどしていると、カロリーオーバーになる。そして、給食は栄養士さんが献立を考えて作っているんだから、栄養のバランスはバッチリだろう、と誰もが思うが、実はそれは数字の上だけのことだ。実際には、ビタミンＣが決定的に不足している。なぜなら、あのＯ157騒ぎ以降、野菜はすべて加熱しないと供給できなくなっているからだ。ビタミンＣは熱で壊れ、ゆで汁に溶け出し、食べるときにはほぼ０に近くなっていると考えられる。かと言って、フルーツ類はめったにつかない。だから、補う必要があるのだが、ビタミンの補給については後ほど述べる。 　その後夕食まで、何も摂らなければ、ダイエット上は理想的なのであるが、そうは問屋がおろさない。私の場合、家まで20�qを超える道のりを走って帰るという大事業が待っている。空腹状態で一度20�q走ってみてほしい。必ず途中でガス欠が来る。だから、ここで１食入れざるを得ない。職場ではどうしても落ち着かないので、ファーストフード店等を利用する。これがダイエットとのからみで、兼ね合いが難しい。ただし、この時間は、激務の疲れを癒し、仕事上の構想を練ったりする、また帰宅時間を遅らすことで直射日光を避ける意味もあるので、なかなかやめるわけにはいかないのである。まあ、フライドポテト等太りやすいものは避け、タンパク質を含むハンバーガー等を摂るようにしている。 　そして鋭気を養った後、ランニングにかかる。２〜３時間かけて家に帰ると、すぐに夕食である。おかずはよく食べるが、ご飯や汁物は決してお替わりはしない。もちろん、夕食後は一切ものを口に入れない。妻の作る食事は、野菜も多く、バランス的にはまずまずかな、と思っている。 　さて、最後にビタミンの補給について述べよう。ビタミンは食物からすべて摂るのが理想的とされるが、ストレスの多い現代人の場合、それは絶対無理と申し上げよう。それを実現したときにはカロリーオーバーが必至。そこでビタミン剤（栄養補助食品）の出番となる。まず、朝はいろいろ飲んでいる暇はないから、総合ビタミン剤をヤクルトのミルミルＥで飲み下す。昼は教室で給食だから、自分だけビタミンを摂るわけにいかない。放課後のティータイム、もしくはファーストフード店で、「マルチビタミン」の錠剤を呑む。そして、夕食後は、ビタミンＡ、Ｂ群、Ｃ、Ｅの錠剤に加えて、Ｆｅ（ヘム鉄）、レシチン、ＤＨＡ、あとコラーゲンやグルコサミンなどを気休めに。１日の摂取量は、成人の必要所要量の２倍というのが目安である。くれぐれも言っておきますが、食物から摂るビタミンは当てにしてはいけない。調理の仕方によっては、それは「マイナス」であることすらあるのです。 　さて、このような食生活を続けて、体重は何とか現状維持、病気はほとんどしない。あなたは真似できます？

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