| 懐かしの名場面 |
| 〜担任通信ダイジェスト〜 |
| 血液型交遊学(Ｏ型の巻） |
| 数いる友人の中で、最も気楽につきあえるのがＯ型の友人達である。人間どうしつきあうためには、誰にでもある程度気遣いせねばならないが、その気遣いに一番骨を折らずに済むのがＯ男達であると言えようか。 とにかく、Ｏ型は大らかである。ＡＢ型や一部のＡ型のように、常に人の欠点のあら探しをする趣味がない。欠点だらけのＢ型としては甚だ安心である。 「人類みな兄弟」これはＯ型のためにあるような言葉である。あの笹川良一センセイもさてはＯ型か。「一日一善」やるためには、競艇で庶民から金巻き上げたって構わないなんてえのも、まさにＯ型的発想である。 Ｏ型は誰彼かまわず「同類意識」を持とうとする。 「おめえも俺も、臭いクソ垂れる同じ人間じゃねえか。」という発想が根底にある。 この点、Ｂ型などは、 「同じ人間でも、俺だけはちょっと違うぜ。」というような自負がある。Ａ型にも、表にこそ出さないが、同様のプライドが存在するようだ。 宴会などで、他人に無理矢理飲ませたり、裸踊りを強要したりするタチの悪い奴は大概Ｏ型だ。なぜかと言うと、Ｏ型は他人を自分のレベルに引きずり落として 「ああ、あいつもやっぱり俺と五十歩百歩やった。」と喜ぶ悪い癖があるのだ。 Ｏ男は、男どうしのつきあいでは非常にオープンである。誰にでも気安く心を開いて、内情をぶちまけてしまう。この点Ａ型とは好対照である。Ａ型は、知られて自分に不利になる可能性のあることは、余程親密な人にでないと話さない。このＡ型の秘密主義は、良く知っておいた方がよい。きっと役に立つことがある。その点、Ｏ型は何もかも筒抜けのことがある。ちょっとカマをかけられただけで、彼女との馴れ初めからデートの場所まで全部しゃべってしまったのは、Ｏ型のＮ島先生だった。こんな調子でＯ男にオープンに来られると、Ｂ男としてもついつい気を許して、カブトの緒がゆるんでしまう。そして、それがしばしば腐れ縁に発展する。 そう言えば、学生時代、友人達の溜まり場になっていたのは、不思議とＯ男の下宿だったように思う。男の下宿というのは、汚れて、散らかっているのが普通としたものだ。（Ｋ嶋先生の下宿など、私は第１歩をどこに踏み入れてよいか迷ったぐらいである。）Ｏ男の下宿も、本や漫画本、下着やタオル、食いカスや吸い殻やら、畳が見えないくらい散乱していて、何とも言えぬ異臭が漂っていたが、それでもＯ男の友人は、それを恥ずかしいと感じるでもなく、むしろそれを見られるのが嬉しいかのように、我々を招待してくれたものだ。そんな部屋で我々は、持ち寄ったものを飲み食いしながら、ああでもない、こうでもないと議論を繰り返したり、はたまた愚痴をこぼし合ったり、異性談義に花を咲かせたり、夜通しウダっていたものだった。今でもブランデーの香りを嗅ぐたびにあの下宿を思い出す。 教師になってからも、泊まり込みのつき合いをしたのは、Ｏ型の同僚とだけである。その同僚とは昨日メシを食いに行く約束をしたばかりなのだ。そう言えば、一昨日電話して茶飲み話をしたのも、高校時代からのＯ男の友人である。このように、Ｏ男を誘うのには全く躊躇の必要がない。気が向けば指がひとりでにダイヤルを回している。その点、Ａ型やＢ型の友人に連絡を取るのには、ちょっとした決心と心構えが必要である。Ａ男の友人には、 「まず、どない言うてご機嫌伺ったろかなー。」と悩まねばならないし、Ｂ男には、 「どないしてその気にさせたろかなー。」と考慮を要する。 即ち、カジュアルな交遊には、絶対Ｏ型の友人を核とすべし、である。遊ぶときにまで余計な気配りはしたくない。 先号の通信を読んで、一部のＯ型同僚がえらい喜んでいた。私の込めた皮肉の意味がさっぱり分かっていないところが、またＯ型らしくてカワユイのである。 喜ばせといて突き落とすというのは、普通ＡＢ型の専売特許なのであるが、ここでは敢えてそれをしようと思う。Ｏ型には毒がないと思ってつき合っていると、そのうちにＯ型病が移って回復不能になることがあるので皆さんにご忠告しておきたい。 大体、Ｏ型というのは道楽者である。仙人の如く枯淡の境地で生活しろなどというのはＯ型には望むべくもない。常に美食を求め、美酒を求め、美女を求め、ブルジョア的物質文明の狭間で生きてゆきたいというのが、Ｏ型人間の本音である。 「仕事」と「遊び」の位置づけ方というのが、血液型毎に特徴があって面白い。Ａ型においては、仕事と遊びは裏表の関係である。この二つをキチッと区別したがるし、また切り替えるのも上手い。Ｂ型にとっては、この両者は並列の関係にある。と言うより、この二つの間の相互関係を非常に大事にする。だからしばしば、仕事に役立てるつもりで遊んでるし、遊びに役立てるつもりで仕事してる。この辺がしばしばＡ型と対立することは以前にも述べた。 ところが、Ｏ型になると、「仕事」と「遊び」は離れて全然別の所にある。仕事のときには謹厳実直そのものの人が、一旦遊び出すととてつもなく羽目をはずしてどうしようもなくなる。修学旅行の引率で酒飲んで問題起こすような教師はこの類である。小言をガミガミ言いながら教え子を引っかけたりするから気をつけよう。（誰のこと？） ついでに、ＡＢ型について述べると、これはもう仕事と遊びの区別が全然ない。夜９時になるまで学校の物理準備室で遊んでいる教師など、この典型である。遊んでいる証拠に、その準備室の片隅には１年も前の実験レポートが点検もされぬままに積み上げられている。また、かつての同僚に、普段はいいかげんな仕事しかせぬくせに、酒飲みに行ったときに限って仕事の話をクドクドする奴がいたが、彼もまたＡＢ型だった。 要するに、Ｏ型とつき合っていてこのビョーキを移されると、Ｂ型はもうダメである。二人一緒に羽目をはずしたはいいが、酒が醒めるとＯ男はまた元の仕事に戻ってゆくのに、Ｂ男は切り替え不能となって沈没しやすい。そうなると連日バケーションの所在不明教師に転落してしまう。くわばらくわばら。 また、先号述べたＯ型の「同類意識」もしばしばＢ型の足を引っ張ることがある。Ｏ型は一つのことで一致すると、他のこともみんな一致してやっていけるかのような錯覚にすぐ陥る。仲の良い同僚であれば、みんな自分の意見に賛成してくれると思いこんでいる。だから、何事も 「俺とお前の仲やないか。」と、ナアナアで片づけようとする。全く、Ｏ型ほど情念で行動する人種も珍しい。理屈よりも親交関係が優先する。だから、Ｏ型主体の会議においては、同じことを議論するのにも、誰が提案するかによって結論が変わる。このあたりはＢ型の是々非々主義と本質的に相容れない。 だから、Ｂ型が自分の主体性を発揮しようと思ったら、このＯ型の馴れ合い主義は、ときどき蹴り返しておかないといけない。そうでないと、Ｏ型ペースに巻き込まれて、Ｏ型ボスの下請け機関にされてしまい、不合理の固まりのような仕事を押しつけられてしまう。 ひとまずの結論として、相手がＯ型であればこそ、けじめが必要である。Ａ型とならお互い自己規制ができて行き過ぎは少ない。Ｏ＝Ｂコンビは、時として余りにも馬が合いすぎるゆえに、厳しい姿勢制御が必要だ。私は幸い、理性のはたらくＯ男の友人に恵まれている。君たちはどうか？ ところで、前々号の通信を読んだＯ型のＮ島先生は、 「こんなん書いたらあかんでー、生徒におさえが効かんようになるーー。」と言いながらも、実はまんざらでもなさそうに喜んでいた、とこれはＳ子先生からの情報である。きっとまた彼女のことでも思い出していたに違いない。彼女の血液型はＯ型であると、これまたＮ島先生が自らバラした話。あーー、全くやってられんワ。 というところで、Ｏ女の話へとご案内たてまつる。実は、私がただ一人Ｏ女の友人だと思いこんでいたさる女史とこの前会って話をしたところ、彼女がＡ型であったことが判明した。その結果、現在のところ、私の女友達は全員１００％Ａ型、天然果汁になってしまったのである。子供の頃の友達はほとんど血液型を知らないからはっきりしたことは言えないが、血液型心ついてより、Ｏ型女性には、ただ一人の例外を除いて縁がない。その例外とはウチの妻殿である。妻とは友人の強引なる紹介（と言うより半ば押し付けに近い）によって知り合ったのだが、そういう偶然がなかったら、未だにＯ女とコンタクト無しに生きていたかも知れない。 私は鈴高に来てすぐ結婚したのだが、やはり鈴高にはフリーの身でやって来て、数いるピチピチのＡ女の中から気に入ったのを選んで・・・というのがどう考えても正解ではなかったろうか、と今頃になって後悔しているのである。もっともそのＡ女がウンと言ってくれる保証は何もないが・・・わたしゃ、Ｏ男教師みたいに教え子に露骨に手えよう出さんしなーーガハハハハハ。 というわけで、Ｏ女のことを書こうとすると、全部妻の話になってしまいそうで恐いのであるが、ここに絶好の材料があった。それは昨年度担任した１年４組のＯ女軍団である。何しろ、女子２４名中、Ｏ型が１５名＋αというすさまじいクラスであった。全く１年間、たっぷりＯ女の魅力!?を堪能させてもらいましたよ。このＯ女のガチャ子さん達から、今年度は一気にＡ女のサメ子さん達だから、非常に落差が大きいのである。まあ、どっちがええとは一概に言えんがね。クラス編成のときには血液型データに基づいてバランスを取るように、学年教務のＮ山先生によーく要望しておくとしよう。 手始めに、ＯとＢの特徴を示す面白いデータがある。実は私の親しいＯ男の友人の奥さんがＢ型なのである。このＢ男＝Ｏ女のカップルと、Ｏ男＝Ｂ女のカップルを比較研究してみると、いろいろ面白いことが分かる。 両夫婦揃って歓談していると、当然のことながら、私と向こうの奥さん、向こうの旦那とウチの妻の見解が見事に一致する。 大体、Ｏ型というのは、贅沢で派手好きである。また、出かけたがりで旅行を好む。Ｂ型はどちらかと言えば出不精で、旅行も他人の計画してくれたものでなければ、敢えて行こうとは思わない。ウチの妻も向こうの旦那も、時刻表繰って旅程組んだり、ガイドブックでいい宿やいい店を捜すのが大好きだという。こちとらそんなことめんど臭くて大嫌いだ。食事に関しても、Ｏ型は月にいっぺんくらいは、ン万円かかる豪華な所へ行きたいらしい。Ｂ女の奥さんと私は、 「そんなものに大金かけるくらいなら、スーパー行ってちょっといい材料張り込んで自分でおいしいもの作るわねーー。」と共鳴する。 また、家事に関しても、ＯとＢの組み手争いは激しいものがある。それはまた次号で。 こと家事に関しては、ＯもＢもサボりではいい勝負である。自分の気の向いたことしかやらないＢ型に対して、Ｏ型はワンパターンのことしかせず、できない。であるからして、ＯとＢの夫婦、特に共稼ぎの場合には、醜い家事の押し付け合戦が繰り広げられるのである。かの友人夫妻の場合も、ウチと同じく共稼ぎであるが、Ｏ型旦那氏は、食器洗いと風呂掃除だけに侵攻を食い止めている。 ところがウチの場合、食器洗いはもちろんのこと、買い物（と言っても、メモされたものだけを買ってくるのではない。１週間分の献立や、補充の必要な日用品を頭に思い浮かべながら。である。）および子供の風呂入れ（最近嫌がって泣くのだ）、さらには家にいる日曜日には朝・昼・晩の食事の支度、とこれだけ敵の攻勢は酷しいのである。一旦侵略された地域は、二度と再び回復不能で、これ以上仕事が増えることはあっても、減ることは決してない。弱肉強食の世の中とは言え、力関係というのは怖ろしい。 これが、Ａ型の奥さんをもらった人の場合は、ガラッと話が違う。私のある知人の場合、共稼ぎであるにもかかわらず、旦那の仕事というのは、たまに換気扇を掃除するだけというのだから、うらやましい。この旦那氏が自分で茶を入れようとすると、 「何よ、お茶飲みたいならそう言ってくれればいいのに。」とくるのだから、これはまさに日本女性の鑑である。ウチでうっかりそんなこと口にしようものなら、熱湯がヤカンごと飛んで来かねない。 Ｏ型の妻というのはザッとまあこんな具合である。２−１の男性諸君、君たちも嫁選びの時にはよく考えないといけない。見合いの話が来たときには、まず血液型を尋ね、Ｏ型と聞いたら、瞬間的に「パス」しなさい。３回パスして、いよいよまた「Ｏ型しかいない！」と言われたらもう観念するしかない。覚悟を決めて料理学校に入学願書を出しに行きなさい。 日本には古来より「大和撫子」とか、「良妻賢母」という言葉があるが、これはＡ女にのみ当てはまる概念である。Ｂ女やＯ女に対しては、「妖婦」とか、「毒婦」、或いは「じゃじゃ馬」という形容が適当である。ただまあ、うちのクラスのＡ女を見ていると、平気で掃除当番サボるし、 「Ａ女が働き者で貞淑」などという定説は、時代と共に崩壊しつつあるのかも知れない。 とにかくＯ女は依存心が強く、ｸﾞｰタラである。人の宿題やレポート丸写しで平気な顔してるのは大概Ｏ型である。Ｏ女は細かいことに決して気付かない。事物に対してもそうであるが、それ以上に他人の微妙な心理に対して無神経である。 「何を言うか、Ｂ型こそ自分本位で、他人の思いなど知らん顔やないか。」と甲子園のライトスタンドから罵声が飛んできそうだが、Ｂ型は、ちゃんと気は付いているのである。しかし、気は付いても意図的に無視する。義理人情なんかクソ食らえ、そこがＯ型との違いである。どちらの方がタチが悪いか、これは主観の問題である。 Ｏ女とつき合おうと思ったら、あなたはとにかく尽くさねばいけない。常にチヤホヤされていないと機嫌が悪い。そして、その見返りはあまり期待しない方がよい。サンドイッチのキャベツにシンが混ざっていても、手編みのセーターがヘソまでしかなくても、そこはぐっとこらえて、顔をひきつらせないように・・・ Ｏ女に気に入られる男と言えば、だねえ。たくましくて、包容力があって、家事全般に才能があって、子供の世話が大好きで、サービス精神旺盛で、決して不平不満を口に出さず、イツモシズカニワラッテヰル、宮沢賢治（M西Ｅ治ではない！）みたいな男だよ。こちとら１０万年くらい早いや。 （ＡＢ型の巻に続く） |
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