第一期デジタル本因坊戦第五局（実戦解説)
七番勝負制覇に王手をかけた。 　でも、そういう意識や気負いが強かったわけではない。 　あくまで最善の手を無心で打つ、それに変わりはない。
黒５、７とミニ中国流に構える。白８とワリウチとは、頂子さんらしくないシブい手。 　黒17の三間ビラキは、白18のウチコミを与えて問題だったか。以下の戦いは黒やられている感じがする。 　黒25とこちらを守ったので、白30と大きく包囲に来た。 　白36のノゾキが機敏で、黒シビレている。 　白40と強引に攻めにきた。白42などと打てるのも白36の効果。 　白46と一転、下辺を利かしにきた。黒47と右下を大事にする。 　黒49のツケコシは手筋で、黒右下は固めたものの、白64がきびしく、黒左辺と中央の分断は免れない。 　黒65以下シボッて右下は確定地になったが、中央の黒７子を丸呑みされたのが痛い。 　白90に黒91とコウにはじいてまぎれを求める。白コウを取らなかったので、黒93と有り難く先手でいただき、黒95の大きな手に回ることができた。これでかなり盛り返した。 　当然白96からの攻めはきびしいが、何とかシノギ形。 　ただし、白も128と大所に回って細碁の形勢。 　以下ヨセ合って、ぴったり白に半目残った。 　土俵際で踏ん張られてしまったが、気持ちを入れ替えて第６局に向かいたい。
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