下手ごなしの名局

野沢温泉本因坊戦

二子局

Ａ君は、毎年暮れに行っている野沢温泉スキーツアーで、一緒になった子である。何でもプロの先生に習っているとかで、 　二段格の腕前。今後どれだけ強くなるか計り知れない。だが、そこは小生も五段格として、あっさり軍門に下るわけにはいかない。 　ところが、勢い込んで対局してみたものの、’０６年から’０７年にかけて、三子局で４連敗してしまった。やむを得ず二子にハンディを落とし、 背水の陣で臨んだのがこの碁。 　ここでじゃじゃモルは、ようやく実戦感覚が復活し、会心の打ち回しで大勝を収める。その一局をまずは鑑賞いただこう。

【自戦解説】 　黒16は厳しい好手。だが、じゃじゃモルも白17といっぱいの手で迎え撃つ。黒20のコスミツケから白21のノビと、わけのわからない難戦に突入。 だが、黒30、32は時期を誤った。白33のオサえを打たれてはいけない。黒30ではとにもかくにも33と頭を出して戦わねばならなかった。 　黒34のアテでは、39と辛抱するしかなかった。白35のコウはじきに黒36のツギは緩着。一反は40とコウを取っていないといけない。白37のワリコミで３子を取り、白は安心してしまった。続いて右辺を割られて右上スミまで薄くなり、白53と三々に入った時点ですでに地合いは黒が怪しくなっている。 　黒90以下の空中戦がこの勝負を決定づけた。白は意地でも７の十（黒90の一路下）のツギを省略しようと打っている。結果、白111と攻めにいったはずの黒90の一子が大きく飲み込まれる形となっては大差である。 　この後、大石こそ取りに行かなかったものの、ヨセでも白が打ち回し、38目差の勝利であった。

三子局へ

囲碁道場へ戻る

ニタニタ島メニューへ戻る